NPO法人札幌チャレンジド様の「新型コロナウイルスの親子への影響に対する支援のお願い」に賛同団体として登録いたしました。
新型コロナウィルス感染拡大により、多くのご家庭で、経済面、長期化する休校、子どもの居場所、親子のストレスなどの影響が生じています。
札幌市の児童相談所では民泊施設の活用も開始され、弊会でも新型コロナ感染症影響下での民泊施設活用を模索して行く所存です。 要望内容は以下の通りです。
1.子育て世帯への臨時給付金の支給について
子育て世帯全体が、一斉休校により負担が増えています。子育て支援宣言をしている札幌市として、0歳から18歳までの子育て世帯全体に、休校が続く期間の臨時給付金の支援をお願いします。
2.ひとり親世帯のセーフティーネットである児童扶養手当の臨時増額について
シングルマザーの多くは非正規労働に従事し、常に経済的に不安定ですが、一斉休校の長期化によって、子どもたちとその家庭に大きな影響が及んでいます。しんぐるまざあず・ふぉーらむ北海道の緊急アンケートの経過集計では、収入が減ったと回答した世帯は56.5%になっています。保護者の生活が激変し、経済的にも大変苦しい状況に追い込まれています。そのため、全国の自治体でもひとり親世帯への支援は広がっています。札幌市として、児童扶養手当を補充する、臨時のひとり親世帯応援給付金の支援をお願いします。最も切実な課題です。
3.長引く休校で給食停止による子どもの栄養確保について
食事の提供は地域の努力だけではすべての子どもに届きません。札幌市として、軽食の配布や食事券の発行が必要です。子どもの健康を守る支援をお願いします。 地域では、現状を知る団体が、それぞれの努力により子ども達へ食の支援をしています。食費や弁当を配布する子ども食堂やNPO(フードバンク等)への費用補助をお願いします。 また補助があれば、新型コロナウイルスによって大きな影響を受けている地域の飲食店とNPOが連携してお弁当を届けることも可能です。
4.一斉休校による子どもの預け先確保と保育所等の預け先の支援強化について
親が医療従事者、または業務上仕事を休めない場合の子どもの預け先の確保をお願いします。今、仕事を休めないひとり親世帯は、子どもの預け先の確保に疲弊しています。そのストレスの大きさは、虐待リスクや自死リスクにも繋がっていきます。預け先が無いことで仕事を失うのです。とても憂慮すべき事態が始まっています。
一方、子どもの預け先である保育所、児童クラブ(児童会館・ミニ児童会館・民間児童クラブの三種類全て)、児童デイ等で働く職員が疲弊しています。職員の感染予防、健康を守るための適切な措置をお願いします。
子どもの預け先の確保(長期休暇と同様の開始時間の前倒し含む)とそこで働く職員の増員は、セットで実施する必要があります。臨時的な職員の確保については、新型コロナウイルスによって仕事が無くなった人を優先的に登用する仕組みが望まれます。また預けられる時間を早める対応は、教育委員会との連携で教員の輪番による対応も有効です。
5. 高校生・大学生に返還不要の給付型奨学金を創設することについて
保護者の経済的な困窮のため、アルバイト等で学費や生活費を賄っている学生が多くいます。アルバイト先の営業自粛などの影響により、学生本人の収入も激減しています。そのため既存の給付型奨学金の人数枠の拡大や金額を増額しての追加募集や緊急対策として新たに給付型奨学金の創設をお願いします。
6. DV・虐待相談窓口などのさらなる広報について
閉塞感のなか、家庭内での DV や虐待の増加が懸念されます。配偶者暴力相談支援センター、家庭児童相談室など相談窓口のさらなる広報、過去に相談があった方への アフターフォローも可能な限りお願いします。
この分野の相談支援は、NPOも率先してIT活用など工夫しながら取り組んでおり、危機感は日増しに高まっています。NPOと連携して協働で一人でも多くの方の支援に対応できる体制作りをお願いします。 また、避難先としての民間施設の活用などもお願いします。
7.親の感染が判明した場合の、子どもの預け先などについて
社会的養護に関わる児童福祉施設やファミリーホーム、里親に加えて、民間企業・NPOへの委託を視野に入れた幅広い福祉的観点からの受け入れ態勢の準備をお願いします。
8.子どもの学習機会等の保障について
①全児童生徒へのICT教育の導入について
今回の休校措置が明けて学校が再開しても、個別の学習のフォローやバックアップが必要です。読み書きに困難がある子やそのほかの配慮が必要な子どもたちのためにも、早急に全児童生徒へのICT教育の導入をお願いします。また、導入の際には、家庭環境によって、教育格差が生じないようにタブレットの無料配布あるいは購入費用の補助をお願いします。
②札幌市教育委員会からの学年別の課題について
https://www.city.sapporo.jp/kyoiku/shido/2020sapporokkogakusyuusapo-to.html
子どもたちが自分たちで見て、自ら取り組もうとするにはハードルが高いという声が多くの家庭から聞かれます。また、保護者が協力して取り組むにも、それぞれの家庭事情・環境の差は大きいため、保護者が協力することを前提とした内容は望ましくないと考えます。保護者がいなくても取り組みやすいように、また様々な苦手がある子でも取り組めるように問題とワークシートに配慮と工夫をお願いします。
例えば、算数や数学において、文章題で考えさせる問題だけではなく、計算問題を含めるなど問題にバリエーションを持たせる、ワークシートをただの罫線や方眼紙ではなく、問題を記載してワーク形式で答えを書き込めるようにするなどの工夫をお願いします。また、双方向ではなくとも解説動画の配信を実施することで理解につながります。
③民間企業やNPOの連携を促進することによる学習機会の保障について
札幌市内には教育や子どもに関わる企業やNPOがあり、各企業・団体が独自にオンラインによる動画配信や学習相談などを実施しています。それらの企業・NPOの取り組みを必要とする家庭に届くようにするための周知活動、企業とNPOの連携を促進して新たな取り組みに対するサポートなど、既存の社会資源を活用して、子どもの学習機会のより一層の保障をお願いします。
9.当事者の声に寄り添うことについて
① 子どもたちから今、長引く休校によって勉強への不安や友達作りへの不安など多くの声が寄せられています。子どもが孤立しないように、支援者とつながる、子ども同士が繋がる体制作りが必要です。 たくさんの子どもたちが自分の考えていることを自分の言葉で発言する場として「教育委員会主催のZOOMでの子どもが声を上げる場(zoomはホストが参加者の発言を一定管理できるので、参加した子ども同士が勝手に繋がるリスクはありません。教育委員会が主催することで、保護者も子どもの参加を許容しやすくなります)」など、積極的に子どもが自分の考えを伝えて、それを子どもが共有できる場を作るために具体的施策の実施をお願いします。
② 保護者からは、日々のストレスの蓄積や不安による体調不良など一人で悩みを抱えて途方に暮れる声が寄せられています。保護者が孤立しないように、支援者とつながる、適切な支援情報を得られる体制作りが必要です。 保護者の声を積極的に聞き取るための具体的施策の実施をお願いします。
10.子どもの置かれた状況への理解について
子どもは学校も休校になり、家に閉じ籠り切りになればそのストレスから体調を崩すリスクが高くなっています。大人であれば深夜にランニングすることも可能ですが、ストレス回避の選択肢が子どもにはとても少ないことから、子どもの置かれた状況を大人に理解してもらいたいと考えています。
例えば、市内の公園のいくつかでは、日中わずかな時間、息抜きに公園で遊ぶ子どもに対して、110番通報が続いています。モラルを著しく欠く通報、いたずらまがいでの110番通報は犯罪であることの啓発をお願いします。
緊急ではない相談・要望等については、110番通報ではなく、警察相談電話《#9110》があることの周知活動をお願いします。
普段より敏感になっている市民の皆さんの不安への対応をお願いします。